魚の部位の名称と呼び方|さばくときに必要な用語

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まな板の上に置かれた丸ごとの魚

釣った魚をいざさばこうとしたとき、「腹膜ってどこ?」「血合い骨って何本あるの?」と手が止まった経験はありませんか?

動画を見ながらさばこうとしても、解説者がサラッと使う用語の意味がわからなくて、途中で迷子になってしまう…。そんな初心者あるあるを解消するのがこの記事の目的です。

魚の部位名称と用語さえ頭に入っていれば、レシピ本もさばき方動画も一気に理解しやすくなります。包丁を持つ前の5分間、ぜひ読んでみてください。

📋 この記事でわかること

  • 魚の外側の部位(頭・胴・尾・ヒレ)の名称と場所
  • さばくときに出てくる内部の用語(骨・内臓・膜)の意味
  • 「三枚おろし」「大名おろし」など加工・調理用語の違い
  • 部位名称を覚えると何が変わるのか(実践での活用場面)

🏆 結論:まず「外側8箇所+内部5用語」を覚えれば9割の場面で困らない!

魚の部位用語は多く見えますが、さばく作業で実際に使うのは限られています。外側の基本部位(頭・鰓・胴・腹・背・尾・側線・ヒレ)と、内部の用語(腹腔・血合い・骨・腹膜・浮き袋)を押さえるだけで、ほとんどのレシピや動画の説明についていけます。

この記事では、さばく順番に沿って用語を整理しているので、実際に手を動かしながら確認できます。

目次

魚の外側の部位名称|まず「どこがどこか」を把握する

魚の外側の部位名称を示した図解

さばき始める前に、魚を横から見たときの各部位の名前を整理しておきましょう。ここがあいまいなままだと、「腹側から包丁を入れて」「背側を上にして」といった指示の意味がわかりません。

頭部(とうぶ)

エラの付け根から前が「頭部」です。さばくときは最初にここを切り落とします。頭の中には「脳天(のうてん)」と呼ばれる部分があり、マダイなどでは食用に使われます。また、頭と胴をつなぐ部分の切り口を「頭落とし」と呼びます。

鰓(えら)・鰓蓋(えらぶた)

魚が呼吸する器官が「鰓(えら)」で、それを外側から覆っている薄い骨が「鰓蓋(えらぶた)」です。新鮮な魚のエラは鮮やかな赤色をしています。さばく際には「エラを取る」という工程があり、ここを最初に外すことで内臓を取り出しやすくなります。

また、エラの下の付け根部分を「喉(のど)」と呼ぶこともあります。カマ(後述)と接続している部分です。

カマ(鎌)

頭部を切り落としたときに胸ビレを含んで残る部位が「カマ」です。脂がのりやすく、ブリのカマ焼きなどで知られる人気の部位。さばくときに「カマを取る」「カマ付きで切る」という表現が出てきます。

胴(どう)・体幹部

カマより後ろ、尾の付け根より前の部分が「胴」です。魚の最も肉厚な部分で、三枚おろしや柵(さく)取りの対象になります。胴は背側と腹側に分けて考えることが多く、それぞれ「背(せ)」「腹(はら)」と呼びます。

背(せ)と腹(はら)

「背」は魚の上側、「腹」は下側です。三枚おろしをするとき、「背から包丁を入れる」「腹を手前にする」という指示がよく出てきます。この区別があいまいだとおろし方が変わってしまうので、必ず覚えておきましょう。

また、腹の中央付近の薄い部分を「腹身(はらみ)」と呼びます。刺身にしたときに脂が多い部位で、マグロのトロに相当する場所です。

尾(お)・尾柄部(びへいぶ)・尾ビレ

魚の後端が「尾(尾ビレ)」、尾ビレの付け根の細くなっている部分が「尾柄部(びへいぶ)」です。三枚おろしをするとき、「尾の付け根に切り込みを入れる」という手順が登場します。尾柄部を持って固定すると包丁が安定するので、初心者はまずここを意識するといいでしょう。

側線(そくせん)

魚の体の中央を水平に走る点線状の線が「側線」です。水流・振動・圧力を感知する感覚器官で、さばく際の目安の線としても使えます。「側線の上(背側)から包丁を入れる」「側線に沿って切る」という表現で登場します。

各ヒレの名称

ヒレは位置によって名称が変わります。覚えておきたい主なものは以下の通りです。

  • 胸ビレ(むなびれ):頭の後ろ、左右にある一対のヒレ。カマと隣接。
  • 腹ビレ(はらびれ):腹側にある一対のヒレ。胸ビレより後方。
  • 背ビレ(せびれ):背の上にある。1枚のものと前後2枚に分かれるものがある。
  • 尻ビレ(しりびれ):肛門より後ろの腹側にあるヒレ。
  • 尾ビレ(おびれ):最後端のヒレ。形状(三日月型・扇形など)は魚種で異なる。

さばくときに出てくる内部の用語|骨・内臓・膜の名前

さばくときに出てくる内部の用語|骨・内臓・膜の名前

外側の部位を覚えたら、次は魚を開いたときに出てくる内部の用語です。ここが一番「名前はなんとなく聞いたことあるけど、どこのことかわからない」という用語が集中しています。

なお、釣り全般の用語を体系的に覚えたい方は仕掛け用語50選|図で覚える釣り仕掛けの名称もあわせて参考にしてみてください。用語を体系的に覚えることが、釣りと調理の両方のスキルを伸ばす近道です。

腹腔(ふくこう)・腹膜(ふくまく)

魚の腹を割ったときに現れる空間が「腹腔(ふくこう)」です。内臓はすべてここに収まっています。腹腔の内壁を覆っている薄い黒っぽい膜が「腹膜(ふくまく)」で、「黒膜(くろまく)」とも呼ばれます。

この腹膜は臭みの原因になるため、必ず取り除きます。さばき方動画で「黒いところをきれいにかき出して」と言っているのはこの部分のことです。スプーンの背や歯ブラシで水洗いしながら落とすのが一般的な方法です。

中骨(ちゅうこつ)・背骨(せぼね)

魚の体の中心を前後に貫く骨が「背骨(脊椎骨)」で、魚を左右に分けるときの境界線になります。三枚おろしでは「中骨に沿って包丁を入れる」という手順が核心部分です。

三枚おろしの後に残る、背骨がついた中央の1枚を「中骨(ちゅうこつ)」または「中骨部分」と呼ぶことが多いです。鯛のアラ汁にする部位はほぼこの中骨のことです。

肋骨(ろっこつ)・腹骨(はらぼね)

背骨から腹側に向かって放射状に伸びる骨が「肋骨(ろっこつ)」で、魚のさばきでは「腹骨(はらぼね)」と呼ばれることが多いです。三枚おろし後の身に残っている部分で、「腹骨をすく」「腹骨を取る」という作業の対象です。

腹骨は薄く平らなので、包丁を斜めに寝かせてすくい取るように除去します。初心者が最も身を削ってしまいがちな工程でもあります。

血合い骨(ちあいぼね)・小骨(こぼね)

三枚おろしにした身の中央付近に残る細かい骨が「血合い骨(ちあいぼね)」または単に「小骨」と呼ばれます。アジ・サバ・サケなどに多く、骨抜き(ほねぬき)ピンセットで一本ずつ引き抜くのが基本です。

血合い骨は身の中央に一直線に並んでいるので、指の腹で身を撫でてみると場所がわかります。刺身にする場合は必ず取り除きます。

血合い(ちあい)

魚の身の中で、赤黒く色が濃い部分を「血合い(ちあい)」と呼びます。筋肉の一種で、持久力のある遊泳に使われる部位です。鉄分・タウリンを多く含みますが、臭みも出やすいため刺身の際に取り除くことがあります。

マグロなら「血合い落とし」として赤黒い部分を削り取る工程があります。一方でカツオのたたきでは血合いごと食べるスタイルが一般的です。

浮き袋(うきぶくろ)・肝臓(かんぞう)・胃(い)

腹腔の中にある主な内臓の名称も整理しておきましょう。

  • 浮き袋(うきぶくろ):透明で細長い袋状の器官。食べられる魚種もある(スズキなど)。
  • 肝臓(かんぞう):大きめの臓器。カワハギの肝は珍味として有名。
  • 胃(い)・腸(ちょう):消化器官。内容物が残っていると臭みの原因になる。
  • 卵巣(らんそう)・精巣(せいそう):魚の卵(真子・白子)の部位。タラ・フグの白子などは高級食材。

皮(かわ)・鱗(うろこ)

「鱗(うろこ)」はさばく前に最初に取り除く部位です。鱗取り器や包丁の背(みね)でこそぎ落とします。尾から頭方向に逆なでするのが基本です。「皮(かわ)」は三枚おろし後に引く(はがす)対象で、「皮引き」という工程で行います。

加工・調理に関わるさばき方の用語

魚の三枚おろしをする手元のクローズアップ

魚の部位名称を覚えたら、次はさばき方の工程で使われる用語を整理しておきましょう。料理本やYouTubeでよく出てくる言葉ばかりです。

三枚おろし(さんまいおろし)

魚を「上身・下身・中骨」の3枚に分ける基本のさばき方が「三枚おろし」です。ほとんどの魚料理の出発点で、刺身・塩焼き・フライすべてに対応できます。

手順は大まかに「①鱗を取る→②頭を落とす→③内臓を取り出す→④背から包丁を入れる→⑤腹から包丁を入れる→⑥中骨に沿って身を外す→⑦反対側も同様」の流れです。

大名おろし(だいみょうおろし)

三枚おろしの手順を簡略化し、中骨に身を多めに残しながら一気に切り分ける方法を「大名おろし」と呼びます。「刃を中骨に当てて一気に引く」豪快なやり方で、アジやサバなどの小型魚に向いています。身の歩留まりは落ちますが、スピードが出るため数をさばくときに重宝します。

二枚おろし(にまいおろし)

三枚おろしの最初の片面だけを行い、中骨付きの半身と外した半身の2枚にする方法です。干物(ひもの)を作るときによく使われます。「腹開き」「背開き」はこの二枚おろしの一種で、開く方向の違いによって呼び名が変わります。

柵(さく)・冊取り

三枚おろしにした身から、さらに皮を引いて刺身用に適切な大きさに切り分けた状態が「柵(さく)」です。「柵取り」とも言います。スーパーの刺身コーナーで「マグロ柵」として売られているのを見たことがある人も多いはず。この状態からさらに「平造り」「そぎ造り」「糸造り」などに切り分けます。

腹骨をすく

三枚おろしにした身から、腹骨を薄くそぎ取る工程を「腹骨をすく」と言います。包丁を斜め45度に寝かせて、骨の下に潜り込ませるようにしてすくい取ります。ここで身を厚く取りすぎると骨が残り、薄くすきすぎると身がもったいない。初心者が一番練習が必要な工程です。

皮引き(かわひき)

三枚おろしにした身から皮を引きはがす工程です。尾側の皮に切り込みを入れ、皮をつまんで引っ張りながら包丁を前後に動かします。包丁を動かすのではなく皮を引くのがコツです。皮引きがうまくいかない場合は、包丁の角度が立ちすぎていることが多いです。

アラ・アラ汁

三枚おろしにした後に残る頭・中骨・カマなどの総称が「アラ」です。「捨てるところ」と思われがちですが、コラーゲンと旨味が豊富で、アラ汁・潮汁(うしおじる)・塩焼きなどに活用できます。釣り人なら必ず覚えておきたい言葉です。

初心者がよくやる失敗と、用語を覚えることで防げること

魚の部位名称を知らないまま動画を見てさばこうとした場合、こんな失敗が起きやすいです。

たとえば「腹膜をきれいに取ってください」と言われたとき、どこのことかわからずにそのまま次の工程へ進んでしまう。結果、臭みが身に移り、せっかくの魚が「生臭い刺身」になってしまった…というのは初心者あるあるの失敗です。

また「背から包丁を入れる」という指示でも、魚の向きを誤ったまま作業してしまい、左右の身の厚さが非対称になるケースも多いです。

こういった失敗を防ぐために、用語を覚えることは「手を動かす前の地図を持つ」ことに等しいのです。

さらに、魚を釣る段階でも部位の知識は役立ちます。たとえば魚の種類や習性を知ると釣れる場所・時期の読みが鋭くなります。魚のサイズ呼び名一覧|出世魚と地方名の早見表では、同じ魚でもサイズや地域によって名前が変わるしくみを解説しているので、魚の知識をさらに広げたい方はぜひ参考にしてください。

また、釣りを始めたばかりの方は道具の用語も同時進行で覚えていくと理解が深まります。ロッドの各部名称と調子の読み方|8:2とは何かでは、ロッドのスペック表に書かれている用語の意味をわかりやすく解説しています。

さばき方・部位用語を学ぶときの実践的な活用法

用語を「知っている」と「使える」はまったく別の話です。ここでは、覚えた知識を実際のさばき作業に活かすコツを整理します。

さばく前に魚全体を触って確認する

まず魚を手に取り、「ここが側線、ここが腹、ここが背ビレ…」と声に出しながら確認する習慣をつけましょう。目と手と言葉を同時に使うことで、用語が体に定着します。

特に血合い骨の位置は、最初に指で身を触って確認する癖をつけると骨抜き作業が格段に楽になります。

工程ごとに「何をしているか」を言語化する

さばきながら「今は腹膜を取っている」「今は腹骨をすいている」と言葉にする練習をしましょう。これをやるだけで、動画を見返したときの理解速度が大きく変わります。

部位ごとの臭みの原因を知っておく

魚の臭みの主な原因部位を知っておくと、さばきがより丁寧になります。

  • 腹膜(黒膜):必ず除去する
  • 血合い:多く残すと臭みが出やすい
  • エラ:活け締め・血抜きの際に処理する
  • 内臓:なるべく早く取り除く(特に胃・腸の内容物)

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よくある質問(FAQ)

Q. 「腹開き」と「背開き」はどう使い分けるの?

A. 主な違いは開く方向と用途です。腹開きは腹側から包丁を入れて開く方法で、アジの開き干しなどに使われます。腹腔にアクセスしやすく内臓を取り出しやすいのがメリットです。背開きは背側から包丁を入れる方法で、天ぷら・蒲焼(かばやき)など背を下にして使う料理に向いています。アナゴ・ウナギの蒲焼は背開きが基本です。どちらも二枚おろしの一種と覚えておきましょう。

Q. 「上身(かみみ)」と「下身(しもみ)」は何が違うの?

A. 三枚おろしにしたとき、魚を横に寝かせた状態で上側になる半身が「上身」、下側(まな板側)になる半身が「下身」です。上身と下身で厚みや形が微妙に異なることがあります。一般に、最初に外す上身のほうが包丁の入れ方を確認しながらできるため、初心者は上身からきれいに外す練習をするのがおすすめです。

Q. 「活け締め」「神経締め」「血抜き」はどう違うの?

A. すべて魚の鮮度を保つための処理ですが、目的と手順が異なります。活け締めは脳や延髄を即座に破壊して魚を絶命させる処理で、暴れることによる身の劣化(ATP消費)を防ぎます。血抜きは血管を切ってエラから血を排出する処理で、臭みと変色を防ぐ目的です。神経締めは専用のワイヤーを脊髄に通して神経を破壊し、死後硬直(死後硬直が来るまでの時間)を延ばす高度な技術です。釣り場での処理順序は「活け締め→血抜き→(必要に応じて神経締め)→氷締め」が基本です。

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まとめ|部位名称を覚えてさばき作業を迷いなく進めよう

この記事で解説した魚の部位名称と用語を整理すると、以下のようになります。

  • ✅ 外側の基本部位:頭・鰓・カマ・胴・背・腹・側線・尾・各ヒレ
  • ✅ 内部の重要用語:腹腔・腹膜(黒膜)・中骨・腹骨・血合い骨・血合い・浮き袋
  • ✅ さばき方の工程用語:三枚おろし・大名おろし・二枚おろし・柵取り・腹骨をすく・皮引き・アラ
  • ✅ 臭みの原因部位:腹膜・血合い・エラ・内臓(優先的に丁寧に処理する)
  • ✅ 部位名称を知ることで、動画・レシピ本の指示がスムーズに理解できる

用語は一度に全部覚えようとしなくて大丈夫です。実際に魚をさばきながら「今使っている用語」を確認していくのが、一番定着の早い方法です。

次にやること:まずアジ1匹を買ってきて、この記事を見ながら三枚おろしに挑戦してみましょう。アジは適度なサイズ感で骨もわかりやすく、初めてさばく魚として最もおすすめです。血合い骨の位置を指で確認する、腹膜をしっかり取り除く、の2点を意識するだけで仕上がりが大きく変わります。

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この記事を書いた人

釣り歴15年、九州の堤防と磯がホームの週末アングラー。休日は夜明け前から海にいます。ボウズの日の言い訳は「今日は海と対話してた」。初心者の頃にリールを逆に巻いてラインを鳥の巣にした男なので、つまずくポイントは全部わかります。高級タックルより「安くて釣れる」を探すのが得意技です。

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