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リールを使ったあと、水で流しただけで終わっていませんか?実はその「なんとなく水洗い」が、リールの寿命を縮める原因になっているケースが多いんです。
「リールがゴリゴリする」「巻いているときにシャリシャリ音がする」——こういった症状、心当たりがある人も多いんじゃないでしょうか。これ、ほとんどが正しいメンテナンスをしていれば防げる問題なんですよね。
この記事では、釣行後すぐできる基本的な水洗い手順から、注油(オイルアップ)の正しいやり方まで、リールのメンテナンス手順を丸ごと解説します。
📋 この記事でわかること
- 釣行後すぐやるべき水洗いの正しい手順
- 水洗いで絶対にやってはいけないNG行為
- 注油する場所・使うオイルの種類・量のコツ
- 長くリールを使い続けるためのメンテサイクル
🏆 結論:リールメンテの基本は「この3ステップ」
①釣行後すぐに真水で軽く流す → ②しっかり乾燥させる → ③適切な箇所に注油して保管。この流れを守るだけで、リールの寿命は大きく変わります。
特に「高水圧で洗う」「ドラグを緩めずに洗う」「濡れたまま注油する」の3つさえやらなければ、初心者でも十分なケアができます。
釣行後のリールの水洗い手順【5ステップ】

まず大前提として、水洗いができるのは「防水性能のあるスピニングリール・ベイトリール」に限ります。バスフィッシング用の古いリールや、一部の安価なリールは水洗い非推奨のモデルもあるので、取扱説明書を確認してください。
ステップ①:ドラグノブを締め込む
これ、忘れがちなんですが最重要ポイントです。洗う前に必ずドラグノブ(スピニングリールのスプール上部のつまみ)を締め込んでください。
ドラグ内部にはフェルト素材のワッシャーが使われており、ここに水が入ると性能が劣化します。ドラグを締め込むことで内部への浸水をある程度防げます。ベイトリールの場合も同様にドラグを締めた状態にしておきましょう。
ステップ②:シャワーの「弱水圧」で全体を流す
蛇口やシャワーを使って、弱い水圧でリール全体をさっと流します。目安は「やさしくシャワーを当てる」くらいのイメージ。水道水で直接ジャバジャバ当てたり、高圧洗浄機を使うのは絶対NGです。
特に汚れが溜まりやすい以下の部分は、意識的に流しましょう。
- ラインローラー(ラインが接触する小さな回転部品)周辺
- ベール(ラインを巻き取る際に起き上がるアーム)の付け根
- スプール(ラインが巻かれているパーツ)とボディの間のすき間
- ハンドルノブの付け根
塩分・砂・泥がついている場合は、やわらかい歯ブラシや綿棒で軽くこすってから流すと効果的です。
ステップ③:スプールを外して軽くすすぐ
スプールを取り外して、ボディ本体とスプールを別々に流します。ここで内部の塩分をしっかり洗い流しておくことが、サビ防止の鍵になります。
ただし、スプール内部の軸受け(ベアリング)には水を直接当てないよう注意。水が入るとベアリングの油分が流れ出て、逆にサビの原因になります。スプールは側面を中心に流すイメージで。
ステップ④:自然乾燥させる(最重要)
洗い終わったら、ドライヤーや直射日光での乾燥は絶対に避けてください。熱によってOリング(ゴムパッキン)やプラスチック部品が変形・劣化します。
風通しのよい日陰に置いて、半日〜1日程度の自然乾燥が理想です。ハンドルを下向きにしておくと、内部に入った水分が出やすくなります。スプールは本体から外したまま、別に乾かすとより効果的です。
ステップ⑤:乾燥を確認してから注油・保管
完全に乾いたことを確認してから注油(次のセクションで詳しく解説)し、保管します。濡れた状態で注油すると、水分と混ざってオイルの効果が下がります。これも地味に大切なポイントです。
⚠️ 水洗いのNG行為まとめ
- 高圧水流・高圧洗浄機で洗う → 防水ゴムを傷める
- ドラグを緩めたまま洗う → ドラグ内部に浸水する
- ドライヤー・直射日光で乾かす → Oリング・プラスチックが変形
- 洗った直後に注油する → 水分とオイルが混ざる
- 洗わず数日放置する → 塩分の結晶がボディ内部に残る
リールへの注油|場所・オイルの種類・量のすべて

乾燥が終わったらいよいよ注油です。注油はリールのスムーズな動作を維持するために欠かせないケアですが、「どこに何を使えばいい?」という疑問をよく聞きます。一つずつ丁寧に説明しますね。
使うオイル・グリスの違いを知っておく
リールのメンテナンスで使う潤滑剤は、大きく「オイル」と「グリス」の2種類です。この使い分けを間違えると、かえってリールの動きが悪くなるので注意してください。
オイル(低粘度):サラサラとした質感。ベアリングやラインローラーなど、高速で回転する小さなパーツに使います。動きが軽くなり、巻き心地が滑らかになります。
グリス(高粘度):ドロッとした質感。ギア(歯車)やウォームシャフトなど、強い力がかかる大きなパーツに使います。摩耗を防ぐ役割があります。
専用品として、ダイワの「リールガード」シリーズやシマノの「リールメンテスプレー」が有名どころです。釣具店に行くと専用コーナーがあるので、メーカーを合わせるとなお安心です。市販の機械油(CRC556など)は粘度が合わず、グリスを溶かしてしまうことがあるので絶対に使わないでください。
注油する場所【スピニングリール編】
初心者がまず押さえるべき注油ポイントは以下の5箇所です。
① ラインローラー:1〜2滴のオイルを垂らして、ローラーを指で回して馴染ませます。ここは塩水にさらされやすく、腐食が起きやすい箇所。定期的なオイルアップが特に重要です。
② ハンドルノブの軸:ノブ(持ち手)の根本にオイルを1滴。グリグリ回して馴染ませましょう。ここが固くなるとハンドルのスムーズさが損なわれます。
③ スプール受けの軸(スプールシャフト):スプールを外した状態で、軸に薄くオイルを塗ります。多すぎると垂れてスプールに付着するので、ほんのわずかで十分です。
④ ベール付け根(ベールスプリング周辺):ベールを起こしたり倒したりする部分にオイルを1滴。動きがスムーズになります。
⑤ ドライブギア・ウォームシャフト(本格メンテ時):ここはリールを分解する必要があります。初心者は無理に手を出さず、年1回程度、釣具店のメンテナンスサービスに持ち込むのがおすすめです。
注油する場所【ベイトリール編】
ベイトリールはスピニングと構造が異なるため、注油箇所も変わります。
① スプール軸受けのベアリング:スプールを外した両端にあるベアリングに、オイルを1滴ずつ。飛距離と扱いやすさに直結するため、最重要ポイントです。
② ハンドルノブ軸:スピニングと同じく、ノブ根本にオイルを1滴。
③ レベルワインダー(ライン案内)周辺:ウォームシャフトにグリスを薄く塗ります。ここはオイルではなくグリスが正解です。
注油のコツ:「少なすぎるくらいがちょうどいい」
注油で最も多い失敗は「入れすぎ」です。オイルを入れすぎると余分な油がスプールのラインに付着したり、内部のブレーキ機構に影響を与えたりします。基本は「1〜2滴」。余分なオイルは乾いた綿棒やティッシュで拭き取りましょう。
なお、釣り糸の交換時期の見分け方|劣化サインとメンテ手順でも触れていますが、ラインのメンテナンスとリールのメンテナンスは同時に行うと効率的です。リールをケアするタイミングで、ラインの状態も一緒に確認する習慣をつけておきましょう。
初心者がやりがちな失敗3選
リールのメンテナンスに慣れていないと、良かれと思ってやった行動が逆効果になることがあります。実際によく聞くパターンを3つ紹介します。
失敗①:CRC556を使ってしまう
「潤滑油といえばCRC」というイメージを持っている人も多いんですが、釣りリールへの使用はNGです。CRC556は浸透力が高すぎて、リール内部のグリスを溶かして洗い流してしまいます。一時的にスムーズになっても、数日後にはかえってゴリゴリ感が出ることも。必ず釣り用の専用オイルを使ってください。
失敗②:「洗ったから大丈夫」と注油を省略する
水洗いだけでメンテナンスを終わりにしてしまうパターンです。水洗いで汚れは落ちますが、同時に微量の油分も流れ出ます。洗ったあとにオイルを補充しないと、乾燥によってベアリングがサビたり、パーツの摩耗が早まったりします。「洗う→乾かす→注油」をセットで考えてください。
失敗③:ドラグを締めたまま長期保管する
釣行後の水洗いのためにドラグを締め込んでいるのはOKですが、保管時はドラグをゆるめて保管するのが正解です。締め込んだままにしておくと、ドラグ内部のフェルトワッシャーが変形・固着して、ドラグの滑り出しが悪くなります。保管前には必ず緩めておきましょう。
メンテナンスのサイクル|どのくらいの頻度でやればいい?
「毎回やるのは大変…」という声もよくわかります。用途や釣り場の環境によって、メンテのサイクルを使い分けるのがポイントです。
釣行後すぐ(毎回):簡易水洗い
海釣りで使ったリールは、その日のうちに水洗いしましょう。塩分は乾燥すると結晶化してパーツを傷めます。真水でサッと流すだけで5分もかかりません。淡水(川・湖)での使用後は汚れがひどくなければ、拭き取りだけでも十分なケースがあります。
月1〜2回(定期):注油メンテナンス
ラインローラーやハンドルノブ軸など、外側からアクセスできる部分への注油は月1〜2回を目安に行いましょう。よく釣りに行く人(週2〜3回程度)は月2回、月1〜2回程度であれば月1回で十分です。
年1〜2回(本格メンテ):オーバーホール
内部のギアやベアリングにグリスアップが必要な本格的なオーバーホールは、年1〜2回が目安です。これは分解が必要になるため、初心者はメーカーや釣具店のメンテナンスサービスに依頼するのがベスト。費用はリールの種類にもよりますが、3,000〜8,000円前後が相場です。
釣りを続けるうえでリールのケアと同様に大切なのが、タックル全体の管理です。釣り初心者が揃える道具30選|予算別の完全リストでは、リールを含む基本タックルの選び方もまとめているので、道具選びのタイミングに参考にしてみてください。
💡 メンテナンスサイクルまとめ
- 釣行後すぐ:真水での簡易水洗い(毎回・5分)
- 月1〜2回:外側からの注油メンテ(10〜15分)
- 年1〜2回:プロによるオーバーホール(3,000〜8,000円)
保管前の最終チェックリスト

「もうこれで大丈夫かな?」と保管する前に、以下の項目を確認してみてください。チェックリストにしておくと習慣化しやすいですよ。
- ☑ ドラグはゆるめてある
- ☑ リール全体に余分な水分・汚れが残っていない
- ☑ ラインローラーにオイルが馴染んでいる
- ☑ スプールをリールにセットしている(スプールが外れたまま保管しない)
- ☑ 直射日光・高温多湿の場所を避けて保管している
- ☑ リールをそのままケース・袋に入れていない(熱がこもる)
保管場所は「直射日光が当たらない・湿気が少ない」場所が理想です。クローゼット内の棚や、専用のタックルボックスに収納するのがおすすめ。除湿剤を一緒に入れておくとなお安心です。
また、釣行後のケアはリールだけでなくクーラーボックスの魚の入れ方|氷と海水の黄金比のように持ち帰り道具全般にも当てはまります。釣り全体の「後片付け習慣」を整えることで、次の釣行がより快適になります。
※価格は執筆時点の参考価格です。最新価格は各販売サイトでご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 淡水釣り専用のリールでも水洗いは必要ですか?
A. 必須ではありませんが、泥や砂がついた場合は水で軽く洗い流すのが理想です。淡水は塩分がないため腐食リスクは低いですが、砂がベアリングに入ると摩耗の原因になります。釣行後は乾いた布で拭き取り、汚れが目立つ場合だけ水洗いするというルーティンで十分です。
Q. リールオイルとグリスは同じメーカーで揃えないといけませんか?
A. 必ずしも同じメーカーで揃える必要はありませんが、釣り専用品を使うことが絶対条件です。市販の万能潤滑剤(CRC556など)はリールには適していません。ダイワやシマノの純正品が入手しやすく、品質も安定しています。使い分けに慣れてきたら、用途に応じてグレードの高いオイルを試してみるのも面白いですよ。
Q. リールがゴリゴリする・シャリシャリ音がするときはメンテで直りますか?
A. ラインローラーや外側のベアリングの油分が不足している場合は、注油で改善するケースがあります。ただし、内部のギアやベアリングにゴミ・サビが入り込んでいる場合は、オーバーホールが必要です。まずはラインローラーへの注油を試してみて、改善しなければ釣具店に相談してみてください。無理に分解しようとするとかえって状態が悪化することがあるので、内部はプロに任せるのが賢明です。
まとめ:リールの寿命を延ばす3つの習慣
長々と説明してきましたが、ポイントを整理するとシンプルです。
- ✅ 釣行後すぐに弱水圧でさっと水洗いする(ドラグを締めてから)
- ✅ しっかり乾燥させてからオイルを適量注油する(1〜2滴が基本)
- ✅ ドラグをゆるめて涼しく乾燥した場所に保管する
この3つを習慣にするだけで、リールの寿命は間違いなく変わります。メンテナンスの手間は1回あたり10分もかかりません。それで数万円のリールが何年も使い続けられるなら、コスパは最高じゃないですか。
「正しいケアの方法がわかったけど、そもそも用語がよくわからない」という方には、釣り用語100選|初心者がつまずく専門用語を全部解説もあわせて参考にしてみてください。ベアリング・ドラグ・ベールといったパーツの役割をしっかり理解すると、メンテナンスの理由もスッキリ腑に落ちます。
次の釣行前に、まずは水洗いと注油からやってみてください。きっと巻き心地の違いに気づくはずです。
