釣った魚のさばき方入門|三枚おろしの基本

※本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。

魚のさばき方に必要な包丁とまな板
筆者撮影

釣りから帰ってきて、クーラーボックスに魚が入っている。でも「どうやってさばけばいいか全然わからない…」「一度やってみたけど、ぐちゃぐちゃになってしまった」——そんな経験、ありませんか?

せっかく釣った魚をおいしく食べたいのに、さばけないせいでお店に頼るしかない、あるいは丸ごと煮るだけで終わってしまう。これはもったいないですよね。

三枚おろしは、最初は難しそうに見えますが、手順とコツさえ覚えてしまえば誰でもできます。この記事では、初めてでも失敗しにくい方法を、ステップごとにわかりやすく解説していきます。

📖 この記事でわかること

  • 三枚おろしに必要な道具の選び方
  • うろこ取り・内臓処理など下処理の正しい手順
  • 三枚おろしの具体的なやり方(どこに包丁を入れるか)
  • 初心者が絶対やりがちな失敗とその回避法

🏆 結論:三枚おろしで最初に覚えるべきことはこれ!

「背骨に沿って包丁を滑らせる」感覚さえ身につければ、三枚おろしは誰でもできます。最初の魚はアジかサバがおすすめ。身が締まっていて骨がわかりやすく、初心者が練習するのに最適です。

道具はしっかりした出刃包丁とまな板があれば十分。まず1匹やりきることが上達への一番の近道です。

目次

三枚おろしに必要な道具をそろえよう

道具が揃っていないと、どれだけ手順を覚えても作業がしんどくなります。まずはここを押さえておきましょう。

出刃包丁(でばぼうちょう)

三枚おろしには出刃包丁がベスト。刃が厚くて丈夫で、骨を断つときにも力が逃げにくい設計になっています。

サイズは「15cm前後」が最も使い回しがきいて便利です。アジやサバくらいのサイズなら10〜12cmの小出刃でも十分。最初の1本としては、1,500〜3,000円台でも十分実用的な製品が手に入ります。

「家にある三徳包丁(さんとくぼうちょう)でもできないの?」という声をよく聞きますが、できないことはないものの、骨に当たると刃こぼれしやすいので、できれば出刃包丁を用意することをおすすめします。

まな板

魚をさばくなら大きめのまな板が正義です。最低でも30×40cm以上が目安。小さいまな板だと魚がはみ出して作業がしにくく、雑な仕上がりになりがちです。

素材は「木製」か「プラスチック製」のどちらでもOKですが、木製は刃当たりがよく包丁が長持ちしやすい、プラスチックは洗いやすくて衛生的、という違いがあります。初心者には手入れが楽なプラスチック製がおすすめです。

うろこ取り

専用のうろこ取り器(スケーラー)があると便利です。スプーンの背や包丁の背でも代用できますが、専用器具のほうが圧倒的に飛び散りが少なく、時間も短縮できます。500〜1,000円台で手に入るので、1つ持っておく価値があります。

なお、釣った魚を持ち帰るときには釣り用フィッシュグリップがあると、魚をしっかりつかんだまま安全に扱えるのでおすすめです。魚を触るのが苦手な方にも役立ちます。

その他あると便利なもの

  • 骨抜き(ほねぬき):中骨を取るのに使う。100均でもOK
  • ペーパータオル(キッチンペーパー):魚の水気を拭き取るのに大量に使う
  • バット(調理用トレー):おろした身を置く場所に
  • ゴム手袋:背びれなどで手を傷つけないための安全策
うろこ取り器とまな板の接写

下処理の手順|ここをさぼると後が大変です

下処理の手順|ここをさぼると後が大変です

三枚おろしの前に必ず必要なのが下処理です。ここを丁寧にやるかどうかで、仕上がりのきれいさも、においも、全然違ってきます。

ステップ1:うろこを取る

まずはうろこ取りから始めましょう。尾から頭に向かって(逆の方向に)うろこ取りや包丁の背を動かして、うろこを取り除きます。

コツは「水をかけながらやること」。乾いた状態でやるとうろこが飛び散りやすく、後片付けが大変になります。シンクの中でやるか、まな板の下に新聞紙を敷いておくと汚れが最小限で済みます。

ヒレの付け根や頭の周りは取りにくいですが、そこを残すと後の作業で口に入ることがあるので丁寧に取り除きましょう。ひれの付近は指を傷つけることがあるので、ゴム手袋をはめておくと安心です。

ステップ2:頭を落とす

うろこが取れたら、次は頭を落とします。

  1. 魚の頭を左に向けて(右利きの場合)まな板に置く
  2. 胸びれ(むなびれ)の斜め後ろに包丁を入れる
  3. 軽く力を入れてすっと切り落とす

ポイントは「胸びれの根元から斜めに切ること」。真っ直ぐに切ろうとすると身がもったいないです。頭側に身が多く残るようなラインで切り落とすのが正解です。

骨が硬いときは無理に力を入れず、包丁を少し手前に引きながら切ると、きれいに落とせます。

ステップ3:内臓(はらわた)を取り出す

頭を落としたら、次は内臓を取り出します。

  1. 腹側を手前にして持ち、肛門(おしり)から頭の方向に向けて浅く切れ目を入れる
  2. 切れ目に指を入れて内臓をかき出す
  3. 内臓の奥に背骨に沿って黒っぽい膜(腹膜・ふくまく)があるので、指やブラシでこすり取る
  4. 流水でよく洗い流す

この黒い膜(血合い・ちあい)を取りきれていないと、生臭さの大きな原因になります。少し手間でも指でしっかりこすって、水がきれいになるまで洗いましょう。

洗い終わったら、ペーパータオルで水気をしっかりふき取ります。水気が残ったままだと、包丁が滑って危ないですし、仕上がりも水っぽくなってしまいます。

初心者がやりがちな失敗例

下処理でよくある失敗が「内臓を取るときに切れ目を深く入れすぎること」です。腹に深く切れ目を入れると内臓が破れてしまい、中の消化液が身についてしまいます。臭みが出るだけでなく、見た目もよくないです。

腹の切れ目は「皮と薄い肉だけを切る」イメージで、浅くスッと入れるのがコツ。最初は恐る恐るやるくらいで丁度いいです。

三枚おろしの手順|背骨に沿って包丁を滑らせるだけ

三枚おろしで背骨に沿って包丁を入れる手順

下処理が終わったら、いよいよ本番の三枚おろしです。「上身・下身・中骨」の3枚に分けるのが三枚おろしです。

背側から切り込みを入れる

まず魚の背を手前に向けて置きます(腹が奥)。

  1. 背骨に沿って、頭のあった側から尾に向かって包丁を入れる
  2. 最初は「切る」というより「浅く切れ目を入れる」感覚で1〜2回なぞる
  3. 切れ目が入ったら、包丁を少し深く入れて、背骨に当たるところまで進める

このとき包丁を「押す」のではなく「引きながら」動かすのが重要なコツです。押すと力が入りすぎて骨に刺さったり、身が崩れたりします。

腹側から切り込みを入れる

背側が切れたら、今度は魚を反転させて腹を手前にします。

  1. 腹側からも同じように背骨に向かって包丁を入れる
  2. 背骨に包丁が当たったら、そのまま尾の方向へ滑らせる

背と腹から入れた切れ目が背骨のところで「つながる」イメージです。このとき、背骨の上に指を置いてガイドにしながら包丁を入れると、どこまで切ったかわかりやすくなります。

上身を骨からはがす

背・腹の両側から切れ目が入ったら、いよいよ身を骨から分離させます。

  1. 包丁を背骨の上に沿わせるように水平にして、尾のほうから入れる
  2. 包丁を背骨に「当てながら」頭側に向かってゆっくり滑らせる
  3. 「ざらざら」とした骨の感触を感じながら包丁を進める
  4. 上身が完全に分離したらはがし取る

ここが三枚おろしの最大のポイントです。「背骨に包丁を当て続ける」感覚がわかれば、あとは力を使わなくても身がきれいに分離していきます。逆に骨から離れてしまうと、中骨(ちゅうこつ)が身に残ってしまいます。

魚をひっくり返して下身をおろす

上身がおろせたら、残った中骨付きの部分をひっくり返して、同じ要領で下身もおろします。手順は全く同じです。

これで「上身・下身・中骨(あら)」の3枚に分けられました。これが三枚おろしの完成形です。

腹骨(ふくこつ)と血合い骨を取る

おろした身には「腹骨」と「血合い骨(ちあいぼね)」が残っています。これを取り除いて初めて食べられる状態になります。

腹骨の取り方:包丁を腹骨に沿わせるようにして薄くそぎ取ります。骨ごと少し身をとるイメージで大丈夫です。

血合い骨の取り方:身の中央あたりに指で触れると、細かい骨が列状に刺さっているのを感じます。これを骨抜きでつまんで1本ずつ抜いていきます。焦らず丁寧にやるのが正解です。

アジやサバなら血合い骨は20本前後あります。全部抜くと、刺身でも揚げ物でも安心して食べられます。

さばいた後の保存と料理への活かし方

三枚におろした後の身の保存も大切です。すぐ食べない場合はラップでしっかり包んで冷蔵し、当日か翌日中に使い切るのが理想です。それ以上になるなら、冷凍保存(ラップ+ジップロック)に切り替えましょう。

三枚におろした身の定番料理といえば:

  • 刺身:皮をひいて薄く切るだけ。新鮮な釣り魚ならこれが一番おいしい
  • 塩焼き・照り焼き:骨を取ってしまえば食べやすく、子どもにも好評
  • フライ・唐揚げ:アジのフライは定番中の定番。衣をつけて揚げるだけ
  • ムニエル:バターとレモンでシンプルに。白身魚との相性が抜群

残った中骨(あら)も捨てないでください。塩を振って焼いたあら焼きや、あら汁にすると濃厚なうま味が出ます。釣り人ならではの、魚を余すところなく楽しむ食べ方です。

また、釣った魚の食べ方を突き詰めていくと、ほかの魚の処理にも興味が出てきます。たとえばアオリイカの締め方と持ち帰り方の記事でも、釣ってから食卓に上げるまでの一連の流れを詳しく解説しています。魚だけでなくイカも自分で処理できるようになると、釣りの楽しさがさらに広がります。

包丁のメンテナンスと衛生管理も忘れずに

せっかく三枚おろしを覚えても、包丁が切れない状態では作業が倍以上つらくなります。また、魚をさばく作業は衛生管理が特に重要です。

包丁を切れる状態に保つ

出刃包丁は使うたびに切れ味が落ちます。月1回程度は砥石(といし)で研ぐ習慣をつけましょう。砥石は#1000番(中砥)があれば日常メンテには十分です。

「包丁を研いだことがない」という方は、シャープナー(引っ張るタイプの簡易研ぎ器)から始めるのもありです。砥石ほど切れ味は戻りませんが、手軽に使えます。

衛生管理のポイント

  • 作業前に手をしっかり洗う
  • まな板は使用後にたわしと洗剤でよく洗い、乾燥させる
  • 塩素系の漂白剤(週1回程度)でまな板を除菌する
  • 生魚を扱ったまな板・包丁を野菜・生食用に使い回さない

魚用と野菜用でまな板を分けるのが理想です。色分けされた「カラーまな板」を使うとわかりやすくて便利です。

釣りそのものの技術も磨きたい方には、カゴ釣り入門の記事でアジやサバの釣り方を詳しく解説しています。三枚おろしの練習魚としても最適な魚たちなので、ぜひセットで読んでみてください。

さばきたての魚のフィレを白い皿に並べた様子

よくある質問(FAQ)

Q. 初心者はどんな魚から練習すればいいですか?

断然おすすめなのはアジ(鯵)です。理由は3つあります。①身が適度に締まっていて崩れにくい、②骨が太くてわかりやすい、③スーパーや釣り具店でも手に入りやすく何度でも練習できる、という点です。サバ、イワシも同様に練習しやすいです。逆にタイやヒラメなどの大型魚は、慣れてから挑戦するのがおすすめです。

Q. 三枚おろしにどれくらい時間がかかりますか?

最初のうちは1匹で15〜20分かかっても普通です。焦らずゆっくりやることのほうが、きれいに仕上がります。慣れてくると5〜7分程度でできるようになります。10匹さばけば、感覚が身についてくるイメージです。

Q. 家にある普通の包丁(三徳包丁)でもできますか?

できないことはないですが、あまりおすすめはしません。三徳包丁は刃が薄く、骨に当たると刃こぼれするリスクがあります。また切れ味が一気に悪くなることも。小出刃包丁なら1,000〜2,000円台からあるので、魚をよくさばくなら1本用意することを強くおすすめします。三徳包丁でやる場合は、骨を切るときは慎重に、力を入れすぎないよう注意してください。

まとめ|今日からさばける!三枚おろしのポイントまとめ

ここまで読んでいただければ、三枚おろしの全体像がつかめたと思います。最後に要点をまとめます。

  • 道具はまず出刃包丁・まな板・うろこ取りの3点を揃える
  • 下処理(うろこ・頭・内臓)を丁寧にやることが仕上がりを左右する
  • 包丁は「引きながら」動かす——押すと失敗しやすい
  • 背骨に包丁を「当て続ける」感覚が三枚おろし成功のカギ
  • 腹骨・血合い骨を取り除いて初めて食べられる状態になる
  • 練習魚はアジがベスト——10匹さばけば感覚がつかめる

「次にやること」としては、まず1匹、アジを購入してさばいてみてください。道具は最初から全部揃えなくても大丈夫。出刃包丁とまな板があれば今日からできます。

さばけるようになったら、次のステップとして皮のひき方・刺身の切り方も覚えると、釣り魚の楽しみ方がさらに広がります。また、釣り自体のスキルアップに取り組みたい方は、釣り糸の結び方5選の記事もあわせて参考にしてみてください。仕掛けを自分で作れるようになると、釣りの楽しさが何倍にもなります。

最初の1匹は多少ぐちゃぐちゃでも大丈夫。それが練習です。回数をこなすことで、必ず上手くなれます。ぜひ今日、挑戦してみてください!

※価格に言及している箇所は執筆時点の参考価格です。最新価格は各販売サイトでご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

釣り歴15年、九州の堤防と磯がホームの週末アングラー。休日は夜明け前から海にいます。ボウズの日の言い訳は「今日は海と対話してた」。初心者の頃にリールを逆に巻いてラインを鳥の巣にした男なので、つまずくポイントは全部わかります。高級タックルより「安くて釣れる」を探すのが得意技です。

目次